大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和41年(わ)2883号 判決 1967年4月26日

一、本店所在地

大阪市南区南炭屋町九番地ノ一

会社の名称

株式会社的場商店

代表者氏名

的場一郎

代表者の住居

大阪市南区南炭屋町六四番地

一、本籍

和歌山県那賀郡貴志川町字北八一〇

住居

大阪市南区南炭屋町六四番地

職業

株式会社 的場商店代表取締役

氏名

的場一郎

年令

明治四二年三月一五日生

右に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官丸尾芳郎出席の上で審理を逐げ次の通り判決する。

主文

被告会社を罰金一五〇万円に処する。

被告人を懲役四月に処する。

但し、この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は肩書本店所在地に本店を置き、同区難波新地一番町一四番地に営業所を設け料理飲食店を営むもの、被告人的場一郎は被告会社の代表取締役としてその業務を統轄しているものであるが、被告人的場は被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、被告会社の昭和三七年八月一日から同三八年七月三一日までの事業年度において、被告会社の所得金額が一四、〇九四、一四九円、これに対する法人税額が五、二五五、七五〇円であるのに拘らず公表経理上売上げの一部を除外する等の不正手段により右所得金額中一〇、七二六、四九八円を秘匿した上、昭和三八年九月三〇日大阪市南区南税務署において同署長に対し右事業年度分の所得金額が三、三六七、六五一円これに対する法人税額が一、一七九、六八〇円である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税四、〇七六、〇七〇円を免れ

第二、被告会社の昭和三八年八月一日から同三九年七月三一日までの事業年度において、被告会社の所得金額が一七、〇五一、四二四円、これに対する法人税額が六、三二七、五七〇円であるのに拘らず、前同様の不正手段により右所得金額中一三、五三〇、三六九円を秘匿した上、同三九年九月三〇日右南税務署において同署長に対し右事業年度分の所得金額が三、五二一、〇五五円、これに対する法人税額が一、一八六、〇二〇円である旨過少に虚偽記載した法人税確定申告書を提出し、もつて同年度分の法人税五、一四一、五五〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、大蔵事務官木村太郎の告発書

一、登記官谷口亀次郎の登記簿謄本

一、株式会社的場一郎の証明書(定款原本に相違ない旨の)

一、南税務署長大蔵事務官井内田正雄の各証明書

一、株式会社的場商店の各決算報告書

一、宮野栄吉郎、西村久栄、三沢幸夫の各確認書

一、大蔵事務官木村太郎の各脱税額計算書

一、各差押調書(小原章、吉岡幸重、福山寛、木村太郎各作成)

一、各銀行等預金調査書(別冊一)

1、大和銀行難波支店

2、福徳相互銀行船場支店、難波支店、本店

3、日本勧業銀行難波支店

4、富士銀行難波支店

5、近畿相互銀行難波支店

6、第一銀行難波支店

7、三菱銀行難波支店

8、住友銀行難波支店

9、幸福相互銀行難波支店

10、関西相互銀行難波支店

11、三和銀行天下茶屋支店

12、紀陽銀行大阪南支店

13、貴志川町農業協同組合

14、秋月郵便局

一、山田弥一郎の現金預金有価証券等現在高検査てん末書

一、大蔵事務官木村太郎の株式会社的場商店にかかわる社長借入金の堀江荘関係明細書

一、貸付金之帳(別冊二)(各貸付先明細を含む)

一、有価証券売買之帳、有価証券売買損益、有価証券売買資金表、有価証券売買明細表、調査手続書(別冊二)

一、押収の昭和四一年押第一〇一〇号の一ないし二一の各存在

一、山田弥一郎、的場文子、佐々通夫、津田義雄、中林茂、吉川希也、木村吉太郎、魏新来、林田光、松永修、庄野博一の大蔵事務官に対する質問てん末書と供述書

一、山田弥一郎の検察官に対する各供述調書

一、被告人の当法廷での供述

一、右同人の大蔵事務官に対する質問てん末書並びに検察官に対する各供述調書

を綜合して判示事実を認める。

(法令の適用)

被告人の判示各所為は昭和四〇年法律第三四号附則第一九条による改正前の法人税法第四八条第一項に、被告会社の判示各所為について同じく改正前の法人税第五一条第一項、罰金等臨時措置法第二条に夫々該当するところ、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから被告人の判示各所為について所定刑中懲役刑を選択し、同法四七条本文、第一〇条により重い判示第一の罪の刑に法定の併合罪加重をした刑期、及び被告会社について同法第四八条第二項により合算した金額の範囲内で被告人を懲役四月に、被告会社を罰金一五〇万円に各処し、なお、被告人に対し同法第二五条第一項により本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

以上の理由で主文の通り判決する。

(裁判官 原清)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例